令和元年11/10、天皇皇后両陛下のパレードが行われたうららかな日曜日、表参道もその熱狂を受け、にぎやかな夕方を迎えていました。
いつも通りサロンで仕事をしていたTさん、ふと外を見ると、前のミニ公園に捕獲器を持った2人組みが! 驚いて出ていき、「ここで何をしているんですか?」と訪ねました。
前に猫の虐待があった公園なので、Tさんも日頃から注意していたのです。
すると捕獲器の女性は、「〇〇区でボランティアをしている者です。この公園にいる子猫を保護したいとの依頼があり、捕獲にきています。おたくでもごはんを食べている猫です」と説明をはじめました。
女性は、この近くに住む人から頼まれ、3日前の深夜から車で通っているとのこと。とても熱心な様子でした。
捕獲したい子猫の写真を見せられると、Tさんが3年前に見かけ、その後姿が見えなくなった猫でした。以前はきれいな長毛でしたが、今はだいぶ汚れて健康状態も悪そうでした。
事情は分かりましたが、地域猫の捕獲は地元の人やボランティアに情報を得てから行ったほうが、間違いや事故を防ぎ、猫にも人にも安全・効率的に進められます。ネットワークも長年そうやって港区、新宿区など周辺区のボランティアさんと協力関係を築いてきました。
Tさんは説明しました。
「うちの周辺の地域猫は渋谷区にも登録し、近所の人もかわいがっている猫たちです。突然いなくなったら虐待か事故かと大変心配します。保護する前にご相談いだたければ、できる限り協力しますよ」
〇〇区のボラさんたちはサロンで冷えた体を温め、保護希望者に相談してみるといって帰りました。
2日後、保護希望のご夫妻がサロンを訪ねてきました。これまで4匹の保護猫を引き取ってきたそうで、「この長毛猫も保護して里親を探したい」といいます。
成猫は警戒心が強く、保護してもなつきにくい傾向がありますが、この猫はだいぶ弱っているようなので冬になる前に保護したほうがいいと思い、Tさんも協力することにしました。
猫は「しっぽちゃん」と呼ぶことに。捕獲はまず毎日えさやりの習慣をつけることから始まります。しっぽちゃんはとても警戒心が強く、公園の植え込みからなかなか出てきませんでしたが、ご夫妻やTさんは毎日ごはんを与え、警戒心を解いていきました。
2週間たち、捕獲器の設置を試みましたが、しっぽちゃんはなかなか近寄りません。すると、しっぽちゃんを見守る人の存在に気がつきました。
(続く)
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